前沢S様邸 建て方以降は外部集中で作業が進んでいます。

真っ先に施工される外部仕上げの屋根。
錆に強いジンカリウム鋼板にセラミックをコーティングした天然石粒が接着された高級感漂う金属屋根材です。
セラミックは日本でも古くからある釉薬と呼ばれる着色方法で、ガラスに色を封じ込める方法と同様の着色方法ですので、長期的に彩色が維持されます。
一般的なトタンの屋根材と違って、基盤の金属部分がセラミックコートを施した石粒に覆われているので、色褪せや将来的な塗装が不要なのです。

瓦以外の通常屋根材は樹脂焼き付け塗装というアクリルやポリエステル樹脂などに顔料を混ぜた接着方法ですので、樹脂の寿命とともに顔料が風雨で流され褪色していきます。

表面を覆う石粒のおかげで、雨音の抑制や鋼製屋根特有の暑さも和らげてくれる効果もあります。

外壁の仕上げは南北面と東西面で異素材で仕上げていきます。

まずは南北面。
胴縁で通気層を確保し、窯業系無塗装品を張ります。  

外壁のジョイント部分の目地処理・シーラー処理を3回。
シーラーは下地の調整と仕上げ用塗装を表面にしっかり密着させるために欠かせない工程です。
塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3工程を経ることで丈夫な塗膜になります。
言い換えれば、このうちのひとつでも工程が欠けると、脆弱な塗膜になり、施工不良を引き起こす可能性ができてしまうのです。

しっかり下処理を行った上、吹き付けで仕上げていきます。

南北が塗壁に対して東西は、窯業系平形スレートを下見張りしていきます。

胴縁で通気層下確保 → 面材下地張り →
   下地材の防水処理 → 仕上げ材下見張り の順序で仕上げていきます。

スレートのような風合いですが、主原料はセメント素材です。
セメント素材には、白華(ハッカ)という表面に白い生成物が浮き上がる現象が起こることがあります。この白華自体は耐久性に影響があるわけではないのですが、美観を損ねるということもあり一般的にはあまり好まれません。
しかし、この外壁材はセメント由来の白華を積極的に発生させ、経年変化とその風合いを楽しむデザインとして取り入れた新しい外壁材です。
セメントに加え、鉄の精製で生じるヒュームなど素材で色を表現しています。
自然現象を生かした素材なので、一枚として同じものがないのです。

年数が経てば経つほど味が出る、木質系ともまた違う変化を楽しめる外装です。

外壁はもう少しで仕上がります。
外部足場が外れるまでもう少しです。