前回の床張りから、内部の細かな造作と住設機器の設置から仕上げ工事と進んでいるT様邸。

施主様のご要望に合わせた棚やカウンターなどの造作は、そのご家庭の特色が出てきますし、大工の腕の見せどころでもあります。

佐藤工務店が手掛ける建物はそもそも規格住宅ではないので、間取りも仕上げも物件ごとに本当に様々です。大工がつくる造作も、施主様のご要望をもとにその家全体のデザインや家族の用途に合わせて作ります。

石膏ボードをよく見ると、造作の打合せの記録が記されています。

写真のような手摺の格子も、手摺の高さ・間隔・部材の寸法 他…
小さなお子さんやワンちゃんなど小さなペットがいて、安全を確保しつつとなるとそれによってもまた計画が家族構成や使い方・インテリアのイメージによって変わってきます。

収納の棚板にしろ、収納の数(容積)や家族の考え方によっても様々です。

「大工の腕の見せどころ」というのは、造形の精密さや、仕上がりだけではありません。造作で使われる材料はキット化されている製品ではないので、材料を無駄なく有効に切り出し、住んでからの環境の変化を想定しながら組み立てていく造作は自社大工ならではだと思います。

家全体でみると造作は脇役的なポイントになってしまいますが、造作によるスペースの有効活用・造形的デザインの他、作り手の想いが込められた『つくり』にも着目して見るのも新しい視点で面白いです。