仕上げ工事を終えたS様邸。
仕上げ工事が最後の工程ではありません。
ハウスクリーニングの前に“器具付け”という工程が入ります。
主に照明器具やスイッチ/コンセントカバー・トイレ便器/アクセサリー・換気部材などなど取り付けがされます。

最後の造作 吹き抜け手摺の格子も仕上げ工事の後に取り付けました。
これにはちょっとした仕掛けが…。

答えは完成見学会のご案内の際に見どころとしてご紹介したいと思います。

ちなみに、S様邸の吹き抜け手摺やLDK袖壁に使った笠木は、木材屋さんの積み上がった材料の中から、さらにスプルス材を選りすぐり加工したものです。

造作材も無垢であればなおさらですが、大工の目利きで材料を選定します。

造作に使う材料によって、例えば集成・無垢の違いだけでなく、樹種による質感や雰囲気の違いを活かした空間のメリハリもS様邸では感じて頂けるかと思います。

器具付けの中でもう一つ今回注目したのがこちら…。
ダクトレス式熱交換型の24時間換気です。

従来の24時間換気設備は、本体が天井裏に設置されているため、各部屋からのダクト配管が必要でした。

ダクトレス式の換気設備の場合、各居室に1か所上の写真のようなスリーブが設けられ、ここから給気・排気を70秒ごとに切り替わり換気します。

参考プランのように排気と給気がペアで稼働しています。
排気と給気が切り替わる際には、熱交換型により温度と湿気を回収・交換するので、外部の温湿度の影響を室内に与えません。

給気と排気は、内部のファンが正回転・半回転することによって切り替えが行われています。

S様邸の換気部材の構成を確認してみましょう。

防塵フィルターを外すと70秒ごとに正転・反転をおこなう換気ファンがあります。
電源であるコネクタを外し、換気ファンをスリーブから抜き出します。

換気ファンの後ろには蓄熱エレメントが入っています。

セラミック製で劣化もなく衛生的な素材です。
この蓄熱エレメントが熱交換を担う重要な部材になっています。
排気モードではこの蓄熱エレメントに室内空気の熱や湿気を蓄えながら排気します。給気モードでは蓄えた熱や湿気を使いながら給気します。

さらに奥にある(最も外側)ものがフィルターで、外気中にに含まれる花粉やPM2.5の室内への侵入を防ぎます。

1種換気にもダクト式・ダクトレス式の選択肢がありますが、ダクトレス式を採用することで空調エネルギーを節約し、さらには本来捨てられてしまう排気熱を再利用しながら給気するので、熱をリサイクルする室内環境にも地球環境にも優しい換気設備です。