大工工事1週間が経ちました。
今日は 「住宅瑕疵担履行法」に基づく『住宅瑕疵担保責任保険』の中間検査が行われました。

『住宅瑕疵担保責任保険』への加入は、入居後に欠陥が見つかった時の修理が保証されるよう義務付けられています。
ここでよく耳にする『瑕疵』とは…
「欠陥を意味する法律上の用語です」施工上のミスや手抜き工事などにより実際あるはずの性能や機能が損なわれていたり、設計図通りに施工がされていなかった場合などで使われます。

『住宅瑕疵担保責任保険』の適用を受ける場合、国土交通大臣が指定する保険法人(第三者機関)による現場での検査が義務付けられています。その検査は次のそれぞれの工程で検査を受けなければなりません。
①基礎配筋完了時(配筋検査)
②上棟完了時(金物検査)

どちらの検査も構造に大きく影響する部分です。

一見地味に感じるかもしれませが、建物の心臓部に関わる非常に重要な検査です。実は、残念なことに、プロの世界であっても、この金物施工に関する施工不良は未だ珍しくなく、業者の施工レベルや意識によって大きな開きが出る部分でもあります。例えば、金物の取付け忘れと取付け間違い、単純なビスの打ち忘れ、抜け、作業手順の間違いで最後のビスが打てなくなる、ビスの打ち方による強度不良など様々。こうした作業不良は、大量受注で厳しい工程スケジュールの中で忙しくなり、一点一点の作業精度が落ちたり、また比較的小規模事業者であっても、そもそも技術環境の変化に順応できていない場合に起こりやすく、意外にムラの発生しやすくなる作業工程なのです。ですので、ここは施主様にもしっかりと確認していただき、安心していただかなければならい重要な検査項目なのです。

上写真: 地震時や台風時に柱が土台や梁から抜けるのを防ぐために必要不可欠な金物で、『ホールダウン金物』又は『引き寄せ金物』といいます。N値計算を行い、柱に生じる引き抜き力に応じて、柱脚(柱の下部)と柱頭(柱の上部)の両方に取り付けます。

羽子板ボルトも地震時や台風時などに梁がはずれて脱落するのを防ぐために必要不可欠な金物です。主に梁の両端部に取り付けています。

垂木と桁を接合する『ひねり金物』も検査の対象です。
この金物の重要性は今年発生した大型台風19号の被害をみるとお分かり頂けると思います。風圧で屋根が浮き上がり飛ばされる被害がありましたが、まさにその風圧に耐える為の金物でとても重要です。

躯体の他、屋根や外壁、窓廻りの防水についても検査を行います。
・防水シート(遮熱シート)の重ね代は規定通りか
・開口部回りの防水テープに問題はないか
・バルコニー(ある場合)床の勾配や防水立上り高さは適切か
・(外壁の)通気工法の施工方法は適切か

基礎の配筋や構造材・接合金物など仕上げで隠れてしまう部分こそしっかりとした検査が必要です。
正確・確実な施工が建物の安心と長寿命に直結する重要な工程になります。